スマホ認知症とは?気づかないうちに脳が疲れているサイン

「最近、物忘れがひどい」「集中力が続かない」「言いたい言葉が出てこない」――
それ、もしかすると“スマホ認知症”のはじまりかもしれません。
▼スマホ認知症
スマホの過剰使用によって一時的な記憶力や判断力の低下が起こる現代型の症状。
若い世代でも発症のリスクがあるとされている。
情報を一瞬で得られる便利さの裏で、私たちの脳は“考える機会”を奪われています。
すぐに検索、すぐに通知、すぐに反応――。
それが積み重なることで、脳は常に興奮状態になるため、休まる暇がなく、注意力や記憶力に影響を与えるのです。
しかもこの状態は自覚しづらいのがやっかい。
知らず知らずのうちに、脳が疲れ果てているかもしれません。
便利さの裏にある“見えない負担”

スマホが日常に根づいてから、私たちの暮らしは大きく変わりました。
どこにいても連絡が取れ、情報も娯楽もすぐ手に入る。まさに魔法のような道具です。
でも、その“便利さ”は、脳にとっては休む間もないマラソン。
通知のたびに注意が逸れ、SNSの投稿に感情が揺さぶられ、次から次へと情報が押し寄せる――それは、脳が処理するにはあまりにも負荷が大きいものです。
本来、私たちの脳は「一つのことに集中し、終わったら次へ移る」ようにできているからです。
ところがスマホを使っていると、マルチタスクが当たり前になるので、脳のワーキングメモリを圧迫し、認知機能の低下を引き起こす原因になります。
脳に「静止する時間」や「余白」がないと、思考や感情が整わなくなる可能性が高くなるのです。
スマホ認知症を防ぐために“今すぐやめたい習慣”
私たちはどうすればこのスマホ認知症のリスクを減らせるのか。
ここでは、脳の健康を守るために見直したい3つの習慣をご紹介します。
① 朝起きてすぐスマホを見る習慣
起き抜けの脳は、まだ完全に目覚めていません。
この状態でいきなりSNSやニュースの刺激を入れると、交感神経が急激に働き、自律神経が乱れやすくなります。
👉朝は深呼吸や白湯、日記など、“静かなスタート”を選ぶように。
② “ながらスマホ”の習慣
食事中、会話中、テレビを見ながら…スマホに手を伸ばすクセ、これが結構ヤバイといわれています。
注意が分散し、どれも中途半端になるばかりか、脳が常に浅いレベルでしか情報処理できなくなると言われています。
👉「ながら」をやめる。「ひとつずつ」の動作にする。
③ 暇つぶしにスマホを触る習慣
空き時間ができると、ついSNSを開いている人。「はい、私です」という人は要注意。
“なんとなく”のスクロールがクセになると、脳は受け身になり、自分で考える力が衰えていく恐れもあります。
👉 暇になったら、体を動かす・メモを書く・呼吸を意識するなど、“受信ではなく発信”の習慣に変える。
脳を守る“デジタルとの心地よい距離感”とは
スマホやSNSを完全に手放すのは現実的ではないと思うので、「どう付き合うか」がこれからの暮らしのキーワードになります。
脳を守るために必要なのは、情報の量を減らすことではなく、“質”を選ぶ意識です。
必要な情報は何か、誰の言葉を受け取りたいか。
それを丁寧に選ぶだけで、情報の渦から少し抜け出せるようになります。
また、1日の中に“何もしない時間”や“ぼーっとする余白”を意識的に持つことも、脳の回復に効果的です。散歩中にスマホを持たない。寝る1時間前は画面を見ない。
こうした小さな習慣が、脳の健やかさを支えてくれます。
大切なのは、「情報に振り回される側」ではなく、「情報を選ぶ側」に自分を戻してあげること。
スマホと心地よい距離をとることで、本来の集中力や感性が、ゆっくり戻ってきます。
おわりに|スマホに支配されない自分を取り戻そう
スマホは便利で、暮らしを豊かにする素晴らしい道具です。
でもその便利さにのまれてしまえば、本当に大切な“自分自身”の感覚が薄れてしまうのも事実。
スマホ認知症を防ぐための第一歩は、「ちょっと距離を置いてみようかな」と気づくこと。
そこから、脳にも心にもやさしい毎日が始まります。
思考に余白を、暮らしに静けさを。
情報に追われるのではなく、自分で選ぶ感覚を、もう一度取り戻してみる機会を作ってみてください。