はじめに:なぜ断捨離がうまくいかないのか?
断捨離したいと思っているのに、なかなかうまく進まない。
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
私自身、ミニマリズムに興味を持ってから何度も断捨離に取り組んできましたが、思うように進まない時期もありました。モノが多いせい?それとも収納が少ないから?なんて考えていたんですが、どうやら根本の原因はそこじゃなかったんです。
実は、片付けの悩みの裏側には「時間の使い方」がかなり大事になることに気づきました。
どんなにモノを減らしても、時間の使い方が変わらなければ、ダイエットと同じようにまたすぐにリバウンドしてしまう。これは経験上、何度も実感しました。
そこで出会ったのが「パーキンソンの法則」という考え方。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、これが意外にも、断捨離と深い関係があるんです。この法則を意識するようになってから、私は時間の使い方も空間の使い方もシンプルになって、ぐっと暮らしやすくなりました。
この記事では、「断捨離がうまくいかない理由」と「パーキンソンの法則との関係性」、そして私が実際に取り入れて効果を感じた“時間と空間の整え方”についてお話ししていきます。
パーキンソンの法則とは?|時間とスペースが自然に埋まるメカニズム

まず、「パーキンソンの法則」って何?というところからお話しします。
この法則はもともとイギリスの歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンという人が提唱したもので、ざっくり言うと「仕事は、与えられた時間をすべて使って膨らむ」というものです。
わかるような、わからないような。笑
わかりやすく例をあげてみると、1時間で終わる仕事でも「3時間かけていいよ」と言われると、なぜかその3時間いっぱい使ってしまう。ということです。これならわかりやすい。
この経験って誰しも一度はあるのかなと思います。
そして、この考え方は時間だけじゃなく、空間にも当てはまります。
大きな収納があればあるほど、気づけばそこにどんどんモノが増えていく。引っ越したばかりの時はスカスカだったはずの棚も、数ヶ月経つとすっかり埋まってしまう。これもまさにパーキンソンの法則が働いている証拠です。
つまり、「時間も空間も、余白があると自然と埋まってしまう」んです。
だからこそ、最初から“余白に上限を決める”ことがとても大事!
逆に言えば、時間も収納も無限にあると感じていると、いつまでも片付かない状態が続いてしまいます。
この法則を知ったとき、「ああ、私の断捨離が進まなかったのはこれか!」と腑に落ちました。
私の実体験:片付けがうまくいかなかった時期とその理由
以前の私は、「片付け=時間があるときに一気にやるもの」だと思い込んでいました。だから週末や連休に「よし、今日は断捨離デーだ!」と気合いを入れて取りかかるものの、途中で疲れてしまって中途半端に終わったり、疲労困憊で1日が終わるという日もありました。
そんなある日、「パーキンソンの法則」に出会いました。
「時間を区切らないと、行動はどこまでも膨らむ」「スペースがある限り、モノは増える」。この言葉にハッとさせられました。
それからは、まず“時間”に制限をかけることから始めてみました。
たとえば、「今日は15分だけ引き出し1段分だけ」と決めて行動してみる。すると、意外にも集中できて、ちょっとの時間でも満足感を得られるようになりました。片付けは、時間をかけることが正解じゃないんだなと実感しました。
パーキンソンの法則を活かした断捨離術|3つのポイント
ここからは、私が実際に取り入れて効果を感じた“パーキンソンの法則を活かした断捨離術”を3つ、ご紹介します。
①「15分だけ」ルールをつくる
断捨離をする時間をあえて「短く」区切ります。15分と決めてタイマーをセットし、その間だけ集中して片付ける。すると、驚くほど効率よく進みますし、「やりすぎて疲れる」ということもなくなります。終わったあとに「もっとやりたい」と思えるくらいがちょうどいいです。
この時、集中しやすい音楽をかけるのもいいかもしれません。ただし、ノリノリになってしまう音楽は意識が散漫になるので、要注意。
② 収納スペースに上限を決める
「ここに入る分だけ」とスペースの制限を先に作ると、自然と取捨選択ができるようになります。私は洋服も本も、置く場所を“あえて小さめ”にしています。それ以上増えたら見直し。するとモノの量が勝手にコントロールされるようになりました。
③ 「保留ボックス」で判断を先延ばししない
「いつか使うかも」で捨てられないモノは、“期限付き”の箱に入れておきます。箱じゃなくても、大きめの紙袋でもOK。とりあえず断捨離用BOXを設置してみましょう。
私は1ヶ月で見直すルールにしていて、見返さなかったら思い切って手放します。こうすることで、曖昧なままモノを抱え込むことが減りました。
この3つはすべて、「時間と空間を制限する」工夫です。
ミニマリズムの基本にも通じる考え方で、無理なく続けられるのがポイントなので1つからでも取り入れてみてください。
②③を具体的に解説している本もあるので、参考にしてみてください⬇️
イラストがいっぱいあるので、読みやすいです。
おわりに:制限があるからこそ、自由になれる
パーキンソンの法則は一見ネガティブに聞こえるかもしれませんが、実はとても前向きな気づきを与えてくれます。「人は制限がないと、時間も空間も無駄にしてしまいやすい」という特性を知ることで、自分の行動や思考を見直すきっかけになるからです。
断捨離がうまくいかないとき、「時間が足りない」「モノが多すぎる」と外側の要因ばかりに目を向けがちですが、本当の原因は“制限がないこと”かもしれません。
逆に言えば、ほんの少しだけ「ここまで」と線を引いてあげるだけで、暮らしは劇的に整い始めます。
私にとって、パーキンソンの法則は片付けのルールではなく、“暮らし全体のバランスをとるためのヒント”になりました。断捨離に行き詰まったら、ぜひこの法則を思い出してみてください。
意外なほどシンプルに、心地よい暮らしが近づいてくると思います。